インターンシップ(6) 〜 米大統領選挙 共和党大会

※「インターンシップ」の第一話はこちらから。
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アストロドームでの共和党全国大会が始まりました。

朝、インターン仲間と一緒に車で向かうと、だだっぴろい駐車場をせっせと歩いてドーム敷地の入り口を抜け、現像や編集を行うブースへ向かいます。
何もかも大きいこの会場では、フィルム運びの距離はニューヨークの時よりも長くなりました。

共和党大会会場アストロドームs.JPG
(共和党大会会場のアストロドーム。大きすぎる・・・)

 

会場内は共和党支持者でいっぱいで、民主党同様、熱狂的なエネルギーにあふれています。

が、そこにいる人々を見ていると、なんとはなしに雰囲気の違いを感じるのです。

歴史的かつ統計的に、共和党支持者は白人層が多いと言われていますが、やはりぱっと見ると会場には白人の方ばかりの印象です。いろいろな人種の人たちに囲まれていた民主党大会を思うと、表面的ながらも、支持層の違いを感じます。

 

そんな共和党支持者の中でも、一番私の興味を引いたのは、「ヤング・リパブリカン(Young Republicans)」という共和党青年部のような組織を構成する私と同年代の若者たちです。

私の大学のキャンパスでも、共和党の候補が遊説にやって来た時に、この組織の支部が運営を手伝っている様子を見かけたことがありました。

みんなスーツにネクタイでびしっときめ、はつらつと振舞っているように見えます。

会場内ではまとまって陣取っており、壇上のスピーチを陶酔しているような熱心さで見つめています。


そんな彼らを私は複雑な気持ちで見つめていました。

この人たちのギラギラしたようなエネルギーや自信に満ちた感じは何なんだろう。

そして、彼らに圧倒されながらも、何とはなしに私が感じる嫌悪感は何なんだろう・・・と。

 今にしてみると、ギラギラしていたのは彼らだけではなく、ほかならぬ私自身だったのではないかと思うのです。

ヤング・リパブリカンは、議員や大統領を目指す若者が政治の世界に入るひとつの登竜門でもあります。

ここにいて熱心に演壇を見つめる若者にとっては、この舞台が未来の自分がたどり着きたい場所であるはずです。彼らがはりきっているのは当然と言えます。

ひるがえって自分はどうでしょう。

インターンシップの経験によって、未来の私もカメラマンとしてこの場所にいたいという思いが芽生え始めていたように思います。そして、その時の私は彼らのようにギラギラとしており、若者らしい妙な自信にあふれていたはずです。ヤング・リパブリカンの連中に対してうっすらと感じた嫌悪感は、そんな自分の思いを素直に認められない歪んだ私自身に対して起こったものだったのかもしれません。

 

党大会は、レーガン元大統領のスピーチで盛り上がり、現職のブッシュ大統領が正式指名を受けて閉幕しました。

インターン最後の日、写真部長のティムから思いがけない話がありました。

年明けの大統領就任式でもフィルム運びを手伝ってほしい、と。

願ってもないチャンスに即答でイエスと答えると、喜びがどこまでもどこまでも膨らんでゆくのを感じながら、帰途についたのでした。

レーガン元大統領共和党大会1992年.JPG

      (1992年共和党全国大会でスピーチするレーガン元大統領)


※インターンシップ第7話へつづく
| Sayuri Inoue | 【体験記】 「インターンシップ 〜米大統領選挙」 | 00:16 | comments(0) | - | - |